経済ブロックとは関税など国同士の貿易の障害となるモノを取り払った統合市場のことで、EU(7.89兆米ドル)、ASEAN(5500億米ドル)、NAFTA(11.38兆米ドル)などが存在しています。現在はEUの加盟国が増加しつづけたり、単一通貨ユーロ創設、EU軍創設予定!?、中国、インド、日本、がASEANに接近している、などブロックの強化が進行しています。経済ブロックは関税を大幅撤廃し合うFTA(自由貿易協定)が基本になっていますが、日本はこれが締結できずブロック化に乗り遅れています。日本は農家の票を確保するため、国内の農業を徹底的に保護しています。FTAを結ぶにはこの保護を止め、国内の農業市場を開放する必要があります。しかし農家の票を失うリスクが伴うことから開放できずにいます。とりあえず農業の無いシンガポールとはFTAを締結しました。現在はメキシコとオーストラリアとの締結を目指していますが、やはり農業や酪農業がネックになっています。このままだと、巨大化する経済ブロックの狭間に取り残されることになるかも…
19年のニューヨーク株式市場の株価暴落をきっかけに世界の大部分の国が不況に陥りました。この不況対策として世界の列強と呼ばれた国々は自国と植民地とでブロック経済を形成しました。狙いはブロック外からの輸入品を高関税で排斥し、自国産業と輸出先である植民地という名の市場を保護することでした。結果は失敗。経済のブロック化によって世界規模の貿易が抑制され、世界恐慌はさらに深刻になりました。そして植民地という名の市場をあまり持っていなかった日本やドイツは第二次世界大戦へと突っ走っていきました。この反省から戦後は世界で自由貿易が行われるようになりました。
しかし現在、植民地とは違う形でブロック化が進んでいます。これは世界恐慌対策の経済ブロック形成が裏目に出たように、地球温暖化対策の邪魔になる可能性があります。ブロック化によって地球温暖化対策を目的とした国際協力が阻害されるかもしれないということです。
ただ現在はまだ阻害はされていません。しかしEUがブロック外より遥かに進んだ地球温暖化対策を計画。ブロック(EU)外の国は置き去りにされつつあります。このような現状はEUと他ブロックの連携を強化することで変えられます。そこで日本は経済ブロックに入っていないのだから、自国の外交力や世界最先端の省エネ技術を駆使して経済ブロック同士を繋げる仲介国になればいいのではないかと思います。もちろん、仲介国になる前に他国に"何様のつもりでやっているんだ"と言われないだけの地球温暖化対策を自らやらないとダメですけどね…