GNPは国民総生産、GDPは国内総生産のことです。GNPは商品(財とサービス)を生産したのが自国民であるかに重点が置かれ、場所は関係ありません。GDPは商品が生産されたのが自国領内であるかに重点が置かれ、何人であるかは関係ありません。GNPには自国領内で外国人が生産した商品の金額は含まれませんが、海外で自国民が生産した商品の金額は含まれます。GDPには海外で自国民が生産した商品の金額は含まれませんが、自国領内で外国人が生産した商品の金額は含まれます。
昔、日本はGNPを採用していましたが、現在はGDPを採用しています。というのも、グローバル化が進んだ現在では、自国領内で外国人が生産した商品の金額や海外で自国民が生産した商品の金額の算定が難しくなっています。また自国民が生産した商品であってもそれが海外であるならその産業による雇用拡大や税金徴収といった恩恵は外国が享受します。一方、外国人が生産した商品であってもそれが自国領内であるならその産業による雇用拡大や税金徴収といった恩恵は自国領内が享受できます。にもかかわらず、商品を生産したのが自国民であるかにこだわっていると、国内産業の空洞化を見抜けにくくなります。なので、国の経済力を測る指標としてはGDPの方が良いとされ、日本もその考えに同調したというわけです。
現在の大まかな規模は世界第一位のアメリカが1000兆円、2位の日本が500兆円、世界全体では5000兆円となっています。
また発展途上国では公式のGDPとは別に麻薬売買などで生まれた裏GDPが無視できない大きさになっています。