温暖化対策でいわれているのが4つのRです。
1つ目はReduce(リデュース)です。これは出すゴミの量を減らすことです。
2つ目はReuse(リユーズ)です。これは瓶など繰り返し使えるものを再利用することです。
3つ目は一番よく出てくるRecycle(リサイクル)です。これはゴミを再利用することです。古紙や古新聞から再生紙を作ったり、回収したアルミ缶を原料にして新たなアルミ製品を製造。またペットボトルから繊維製品を作ることもできます。他に自動車の部品もリサイクルできます。以上は業者がやることですが、一般市民としてはリサイクル商品を優先して購入したり、処理しやすいようにし、ゴミとして出すことが重要です。
NHKやその他多くのところで以上を3つのRと称してキャンペーンなどで使っています。ここでは1つ多い4つのRを掲げます。その4つ目はRefuse(リフューズ)です。これは過剰包装などいらないものを断ることです。1つ目のReduceに行き着くので省かれたのかもしれません。
1-肉の消費量を減らす。→飼料の輸送、牛のゲップなど肉の生産は二酸化炭素を多く出します。なので、焼肉、ステーキなど肉メインの食事は週1回にするなどして、食べる量を減らそう。
2-晴天なら衣類の乾燥は太陽熱で→電気代も節約できる!!
3-遠くから運ばれた食品は燃料を多量に消費している。できる限り近場で作られた(採れた)ものを選ぼう。(地産地消)→年間二酸化炭素は約1040kg減という試算も。
4-エコバッグ持参でレジ袋を断ろう。また必要最小限の包装しかされていない商品を選ぼう。もちろんレジでの包装(ブックカバーなど)も断ろう。
5-できる限り紙製品は再生紙入りのものを選択購入しよう。→古紙1t再利用で、直径14cm、高さ8mの丸太20本の生産を抑止したことになる。二酸化炭素を吸収する木を守ろう。
6-エコ生活好きの人と友達(エコパートナー)になったり、交際しよう。→1人では面倒くさくてもみんなでやればできる!!
7-ガラスビン、スチール缶、アルミ缶、をリサイクルに出そう。特にアルミは精錬時に電気分解を行うので、エネルギーの消費が多いです。二酸化炭素はスチール缶1本で10g、ガラスビン1本で30g、アルミ缶1本で50gの削減。
8-エコキュート、エコウィルを導入しよう。→京都府によるとエコキュートで年間二酸化炭素は527.22kg、電気代は3万4114円、エコウィルで二酸化炭素は434.01kg、ガス代は3万2993円削減。導入費用は70万〜90万円くらいしますが、補助金が出ます。
9-太陽熱温水器、太陽光発電を導入しよう。→京都府によると太陽熱温水器(3m2)で年間二酸化炭素は300.49kg、電気代は2万2843円、太陽光発電(4kw)で二酸化炭素は1181.9kg、電気代は7万6476円削減。
10-野菜などを下ごしらえで加熱したいときは水から沸騰させず、レンジでチン。→年間二酸化炭素は約16kg減、ガス代は約1240円減。
11-断熱、薄着・厚着、忍耐で冷房温度を1℃高くして、暖房・ガスファンヒーターの設定温度を1℃低くしよう。→年間で二酸化炭素約47kg減、出費は約3200円減。石油ファンヒーターの使用は1時間短くすれば、年間で二酸化炭素約40kg減、灯油代は約1600円減。(1リットル100円として)
12-パソコンやテレビはブラウン管式より消費電力の低い液晶モニターにしよう→消費電力60%カット、もちろん電気代も節約!!
13-家族全員が毎日シャワーを1分ずつ減らそう。
05 シャワーを1日1分家族全員が減らそう。→年間二酸化炭素は約65kg減、水道代は約4000円減。
14-風呂の残り湯を洗濯、トイレ、植物のみずやりなどに活用しよう。→年間二酸化炭素は約17kg減、電気代は約5000円減。
15-炊飯器の保温停止。→保温は長くなりがち。食す直前にレンジでチン。→年間二酸化炭素は約31kg減、電気代は約2000円減。
16-家族ができる限り同じ部屋で過ごしたり、無人の部屋の暖房、照明を切ろう。→暖房・照明の利用時間を2割減らして、年間二酸化炭素は約240kg減、電気代は約1万1000円減。
17-白熱電球を電球形蛍光灯に代えよう→消費電力を70〜80%カットでき、蛍光灯は10倍長持ち。しかも5万時間点灯で電気代は約9600円減。日本政府は白熱電球を全廃しようとしています。英国は08-11年頃に段階的に廃止する予定。全て交換できれば家庭からのガス排出量は約200万t減。ただ日本の2006年の白熱電球の販売個数が1億3500万個に対し、蛍光灯は2400万個。10倍以上といわれる価格差がネックか。
18-テレビをつけっぱなしにしない。→視聴時間1時間減で、年間二酸化炭素は約13kg減、電気代は約1000円減。
19-家電はできる限り最新型を買おう。→省エネ技術は日々進歩している!!
20-冷蔵庫を満杯にしない。→スッキリさせれば冷却効率アップ。→年間二酸化炭素は約17kg減、電気代は約960円減。
21-コタツ利用時は敷布団を使おう。→それだけで保温効果アップ。→半年利用で二酸化炭素は年約6.4kg減、電気代は約710円減。
22-給湯器の設定温度を下げよう→1℃下げても年間二酸化炭素は約8.6kg減、ガス代は約656円減。
23-節電タップを導入しよう。→余計な待機電力は全てカット。待機電力90%カットで、
年間二酸化炭素は約87kg減、電気代は約6000円減。
24-自転車、公共交通機関を利用し、週2回往復8kmの車の運転を控える。→年間二酸化炭素は約185kg減、ガソリン代は約1万4347円減。
25-車のエンジンのアイドリングを止めよう。スウェーデンではアイドリング1分で罰金。また信号待ちでも前から一定台数以降はエンジン停止。→1日5分のアイドリングストップで、年間二酸化炭素は約39kg減、ガソリン代は約2520円(1リットル150円として以下も)減。
26-自動車に無駄な荷物を積まない。→軽くすると燃費が改善され、年間二酸化炭素は1.74kg、ガソリン代は113円削減。
27-自動車の急発進、急加速を1日4回ずつやめよう。→燃費が改善され、年間二酸化炭素は51.97kg、ガソリン代は3360円削減。
28-自動車のタイヤの空気圧を適正(より少し高め)にしよう。→燃費が改善され、年間二酸化炭素は17.4kg、ガソリン代は1125円削減。
29-カーエアコンの送風ファンを自動にしよう。→エアコンそのものは、暖房ではエンジンの排熱を利用、冷房では冷媒用ガスを利用しています。しかし送風ファンはけっこうバッテリーを消費します。それを抑えるわけです。元が最大なら、年間二酸化炭素は154.65kg、ガソリン代は7733円削減。
30-自動車にアイドリングストップ装置を取り付けよう。→全自動なら、年間二酸化炭素は294.37kg、ガソリン代は1万9032円削減。費用は6〜7万円ほどかかりますが、補助金により半額程度になることもあります。ただ、アイドリングストップ中の冷房強度維持、車の再発進に問題があります。
31-省エネルギーセンターが決めたトップランナー基準をクリアした自動車を導入しよう。年間二酸化炭素は272.47kg、ガソリン代は1万7616円削減。
32-カーシェアリングを導入しよう。カーシェアリングとはマンション単位、町単位で少数の自動車を共同利用することです。週末だけ、近所への買い物だけ、など自動車の利用パターンが決まっていたり、利用時間が少ないなら、住民内で利用時間の配分を行い、自家用車を廃止しよう。シェアするのがハイブリッド・カーなど低公害車ならさらに効果的です。駐車場不足や渋滞緩和にもなります。またICカードやパソコン・携帯電話で予約できたり、時間・走行距離によって課金されるシステムを導入し、大規模展開している企業もあります。1987年に初めてを展開したスイス・モビリティ社は公共交通機関との連携により、現在ではスイス内に約1000のステーションを配置しています。
また企業も温暖化対策をやっています。アメリカや欧州では環境対策が株式投資などの企業評価で重要視されるようになってきているからです。例えば、ゼネラル・モーターは天窓で太陽光を取り入れ、照明を少なくして電力消費を20%カットした工場があります。コピー機製造会社のゼロックスでは部品のリサイクルで温室効果ガスを10%削減しました。小売業世界最大手のウォルマートではエコストアと謳った店舗をいくつか設置しています。そこでは天窓により照明を節約。天窓に使用しているのは普通のガラスではなく、昆虫の目のような形状で、適度に光を拡散させています。空調は小さなエアコンを大量に設置するのではなく、センサーで管理された少数の巨大エアコンを使用。その電力は屋根で太陽光発電を行い、供給しています。また駐車場はリサイクル素材で作られたアスファルトが敷かれ、電気自動車の充電設備を設置しています。さらに床のカバーはタイヤ、コンクリートブロックは焼却灰を原料にしたものです。このようなエコストアは建設コストは50%高ですが、光熱費が30%安なので、すぐ元が取れます。イギリスの巨大銀行であるHSBSではテレビ会議システムの導入によって、出張を半減させました。こうなれば、移動時の自動車や飛行機のガス排出を抑えられます。さらに会議用の飲料をミネラルウォーターから、自社内の浄水器を通した水道水に代えました。水源地からの輸送で大量の排気ガスが出ているからです。さらにその水道水を自社で用意したビンに入れるという徹底ぶりです。オランダのTNTという運輸会社では業績と共に、二酸化炭素の排出量を発表しています。(日本の民主党はこのようなことを義務付ける政策をもっている)さらに会社の排出量削減に貢献した社員は表彰され、ボーナスにも反映されます。そして何と社員の自宅にアドバイザーを派遣し、日常生活における排出量も削減しようとしています。
またアメリカでは大手企業が一致団結してUSCAPという連合をつくりました。参加企業は30社を超え、株式時価総額は7500億ドル以上といわれています。主な目的はキャップトレードの統一とアーリーアクションの認定です。キャップトレードとは各企業に
温室効果ガスの排出枠を割り当て、排出枠以下にまで削減できた企業が余った枠を他企業に売却できる制度です。アメリカでは17州が実施か導入を検討していますが、枠の決め方がバラバラになっています。全米に拠点のある大手企業にとって、それでは面倒なので団結して統一を求めているわけです。アーリーアクションとはキャップトレード導入前に削減した分を考慮することです。これがなければ、導入前と導入後に10ずつ削減した企業より、導入後に20削減した企業のほうが排出枠が余ることになります。事前に自主的に削減した企業より、導入後に急に削減した企業のほうが有利になるということです。そうならないために、導入前に削減した10も考慮して欲しいというわけです。
日本企業では新日鉄君津製鉄所で排熱ガスで発電することで温室効果ガスを9.8%削減、日清製粉では機器改良で1990年より40%削減し、さらに
発電の排熱でパスタを乾燥させ、16%削減しています。他に東京大学ではテスト用紙と保管期間が過ぎた成績表をリサイクルに出して、トイレットペーパーに再生してもらっています。一方、キャップトレードのような制度については、日本企業では一致団結して反対しています。公平な枠の割り当てができそうにない、というのが主な理由です。